(岡田茂吉師御論文です)

 

 image.jpg日本人の優秀性

『明日の医術 第三編』昭和18(1943)年10月23日発行

 近来、日本人の優秀性という事が漸(ようやく)く喧伝(けんでん)されて来た

 

のは喜ぶべき事である。しかも全世界殊に敵国たるアメリカにおいてさえ、日

 

本研究熱が興って来たという事は、勿論大東亜戦における赫々(かくかく)たる

 

戦果に刺戟された事とはいいながら、全く時の力のしからしむるところである。

 

 私は、十数年前から日本人の優秀性について機会ある毎に言説したもので

 

ある。しからば、その優秀性であるという理由はいかなる訳かというに、それは

 

左のごとき確固たる根拠があるからである。

 

 造物主があらゆる生物を造り、最後に人間を造ったという事は、前項に説い

 

た通りである。しからば、人間を造るに当って、その順序はどうであるかという

 

に、それはまず野蛮人を造り、次に白人を、次に東洋人を造り、最後に造られ

 

たのが日本人である事は言うまでもない。彼の埃及(エジプト)が七千年の歴史

 

を有し、支那が五千年の歴史を有するに拘わらず、日本が二千有余年である

 

という事は、右の理由によって、日本の開発が遅れたのではないかと想うので

 

ある。

 

 しかしながら、私のこの推測を以てあまりに短見と観るかもしれない。何とな

 

ればこの地球における人類の発生は、何万年何十万年あるいは何百万年以

 

前かも知れないのに、僅々(きんきん)数千年間の歴史によるなどとは問題と

 

するに足りないというかも知れないがそれに対し私は言うのである。それはたと

 

え何百万年の長期間であっても、野蛮未開であって、人文の発達も交通もあり

 

得なかった時代は、歴史無きに等しいわけである。しかるに、世界の人類は、

 

数千年前に到って初めて文化の緒につき、それから急速なる発達を遂げたと

 

すれば、その時からが人類としての歴史が始ったというべきであろうからであ

 

る。

 

 私はさきに説いたごとく、最後に造られたものほど優秀であるといった理由と

 

同様の意味において、最後に造られたる日本人の優秀性は当然であろう。そ

 

れは既成人種すべての特徴を包含されているからである。

 

 右の証左として日本民族の特性は、あらゆる点に通暁するという事で、これ

 

は誰も知るところである。宗教思想方面においても、古来、他民族の宗教や思

 

想がいかに侵入するといえども、それに同化される事なく、いつしかそれを同

 

化してしまって独自のものとする。故に、恐らく日本位、宗教の種類の多い国は

 

ないであろう。又政治、経済、教育は固より、軍事方面においても世界各国の

 

長を採り、粋を鍾(あつ)めて綽々(しゃくしゃく)としている。その他衣食住にお

 

いてもそうであり、芸術方面においてもそうである。これをある人らは、日本人

 

の生活があまりに複雑多岐であるといって嘆くのであるが、実は、優秀民族た

 

るゆえんを表わしている事を知らないからである。

 

 又私は、人間以外の動物は単一性であるとも言ったが、それが下等動物に

 

なるほどより単一である。これを判別する方法としては、音声による事が最もい

 

いのである。即ち下等動物になる程音声が単純であるという事である。この意

 

味において世界の人種中、日本人程音声の種類が多いのはないのである。即

 

ち父音五十母音二十五の七十五声を完全に発するばかりか、発音に不純不

 

正がない。しかるに、それが日本以外の亜細亜民族の言語は日本語よりも少

 

く、英語に至っては四十余音であるにみても明かである。

 

 又先年、慶応大学医学部において、日本人と西洋人の血液を試験した事が

 

あるがその時の結果によれば、西洋人の血液を猿に注射した所中毒を起さな

 

かったが、日本人の血液は中毒を起したそうである。これによってみれば、西

 

洋人の血液は、日本人よりも猿とあまり隔(へだた)りのない事が実証された訳

 

である。

 

 又、日本人が人間としての最優秀性であるという事の将来性を知らねばなら

 

ない。けだしそれは、全世界各民族を統治すべき天賦の使命を有しているから

 

である。何となれば、各民族それぞれが、日本の統治下に悦服するという事

 

は、大御稜威(おおみいづ)による事は申すまでもないが、また各民族に対し、

 

適応すべき政策が行われなければならないからである。それは各民族の特性

 

を知る事で、綜合性である日本人にして初めて可能であるという訳である。

 

 次に、これは別の方面であるが、私は鉱物学についても、長い間実地に研究

 

している。その結果現在の鉱物学は、非常な誤謬に陥っている事を知ったので

 

ある。しかしながら、ここでは詳説し難いから、必要な点を簡単に説く事にする

 

が、私の研究によれば、今日の学問では鉱物発生の原理は、地震等によって

 

岩石に亀裂を生じ、その間隙に岩漿(がんしょう)が充填して、そこに鉱物が発

 

生するという事になっている。しかるに、私の説においては、それは物質の硬

 

化作用によるのである。即ち土壌が硬化して岩石となり、岩石が硬化して劣等

 

金属が発生し、劣等金属が硬化して貴金属又は稀金属が発生するのである。

 

故に、白金又はダイヤモンド等のごときは、硬化の極度に達した物質である。

 

ダイヤモンドは阿弗利加(アフリカ)が産地であるという事は、右の土地が早く

 

造られたからであり、白金は西比利亜(シベリア)が産地であるという事も同様

 

の意味である。故に、右のごとき鉱物が日本にないという事にみても、日本が

 

最後に造られた、新らしい国土という事になるのである。

 

 この事は、日本人が最後に造られたる人種であるという事と、よく合致してい

 

ると想うのである。

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