はじめに

 この知恵ノートではリコーダーに関する「知恵」とまではいかないかもしれませんが,今までの回答の中で出てきた豆知識やちょっとしたコツをまとめておきたいと思います。


1.リコーダーの音域

 リコーダーは2オクターヴ以上の音域を持った楽器です。

 小学生の時に買ったソプラノ・リコーダーや中学校でのアルト・リコーダーは,学校教育で習ったよりも上の音域が存在し,さらに高い音を出すことができます。


(1) ソプラノ・リコーダーの音域

 ソプラノ・リコーダーではC5(ピアノの高いド)~D7(それよりも2オクターヴ高いドのとなりのレ)が標準的な音域で,意外に知られていませんが2オクターヴ以上あります。

これ以上高い音を出すのは不可能ではないですが,非常に高く耳をさすような音になるのでおすすめはしません。また以下のように運指にかなり無理が生じるので,より高い音をたくさん出したいのであればソプラニーノリコーダーを吹くことをおすすめします。しかし楽器に付属している運指表では載っていないでしょうから,一応指使いを載せておきます。

※ 音域を表しているのは国際式というオクターヴ表記です。C4がピアノの真ん中のド(MC)で,以後1オクターヴ上がる毎に数字が1増えます。


運指表

(左手親指を0,その後順番に左手人差し指1~右手小指7と指番号で表します。楽器の一番下にある孔を8とします。φは0をサミングするという意味です。)
E7
(ミ) φ 23 56 8
F7
(ファ) φ12 45 8
F
7 φ12 45
G7
(ソ) φ1 4
A7
(ラ) φ1 3 56

また余談ですが,012345678を腿などで半分くらいふさぐとB4(シ)も出せはします。


(2) アルト・リコーダーの音域

 アルト・リコーダーでも同様に2オクターヴ以上の音域があり,ソプラノ・リコーダーの完全5度下の音を出すことができます。


2.リコーダーのコツ

 リコーダーで音が鳴らないときには以下を試してみてください。

 

(1) 正しい運指を知る

 運指表等で正しい指づかいになっているか確認してください。

 

(2) サミングの仕方

 高い音を出す際に普通より難しい点としては「サミングの仕方」だと思います。

 
 小学校で高い音を出すときは左手親指を少し開けるなどと習ったかと思いますが,この開け具合が難しいです。
 開け具合はかなり狭く,具体的な目安としてはシャープペンシルの芯2本分くらいです。これが広すぎると雑音が入ることがあります。

 ちなみにこの動作は気柱の定常波の節としたいところに穴をあけ大気圧まで圧力を下げることにより節を作り,第2倍音以降の音を出しやすくする効果があります。


(3) タンギングのときの発音

 「タンギングのときの発音」をイ母音にしたほうが息の流速が上がるので,高い音が出しやすくなります(例 :ティー(ti),ディー(di)など)。
 余談ですが,逆に低い音のときはオ母音(例 :トー(to),ドー(do)など)がよいです(にしたほうが息の流速が下がるため)。

 

(4) 楽器のつまり

 水分の結露による「楽器のつまり」ということも考えられます。よく水分をとってみてください。


最終的にはお使いのリコーダーのモデルによるものかもしれません。楽器の設計は大変難しくある音の鳴りを追求すると他は犠牲になります。残念ながらこればかりはどうしようもありません。

3.リコーダーの種類

 最も知られているソプラノのほかにもたくさんのリコーダーがございますので,もしよろしかったらほかのリコーダーもご検討ください。

 たとえばアルト・リコーダー(中学校でも扱うことの多い楽器)は昔から愛されてきた楽器ですので曲もたくさんあり,リコーダーを極めるのであればうってつけかもしれません。


(1) 音域による分類

 以下に一般的に知られているリコーダーの名称を音域が高い順に書きます。()内は最低音からの音域です。


クライネ・ソプラニーノ・リコーダー(音域C6~)

ソプラニーノ・リコーダー(音域F5~G7)

ソプラノ・リコーダー(音域C5~D7,ピアノの高いドから)

アルト・リコーダー(音域F4~G6)

テナー・リコーダー(音域C4~D6,ピアノの真ん中のドから)

バス・リコーダー(音域F3~G5)

グレート・バス・リコーダー(音域C3~D5,ピアノの低いドから)

コントラバス・リコーダー(音域F2~G4)

サブ・グレート・バス・リコーダー(音域C2~D4)

サブ・コントラバス・リコーダー(音域F1~G3)


 このようにリコーダーの楽器の音域の名称は声楽でいう音域と1オクターヴずれています。

しかし,リコーダーの音は高次倍音が少ないため1オクターヴ高い音でも十分に低く感じます。

 また1オクターヴ低い楽器になると長さが倍(たとえばグレードバスリコーダーはテナーリコーダーの2倍の長さ,アルトリコーダーはソプラニーノリコーダーの2倍の長さです)になります。


(2) 時代による分類

ルネサンス
バロック
現在のリコーダーのほとんどがバロックリコーダーを元に作られています。


(3) 指遣いによる分類

バロック式(イギリス式)
ジャーマン式(ドイツ式)
というのがありますが基本はバロック式(イギリス式)です。
ジャーマン式(ドイツ式)は小学校の学校教育の一部で用いられるのみです。


4.リコーダーのメーカー

 

樹脂製の国内メーカーとしては以下が知られています。

 

YAMAHA

アウロス

全音(ゼンオン)

スズキ


各メーカーの最高モデルでもABS樹脂のものでしたら2000円前後で買えます。


5.リコーダーの音量の抑え方

リコーダーの音量が大きすぎてバランスが悪いとき(うるさい,他の音が聞こえないなど)にはこちらを試してみてください。

(1) ウインドウェイミュート

 エッジの半分くらいの幅に切った厚紙などをエッジの方からウィンドウェイに向かってのせる手法。ただし,この手法では音色が変わってしまいます。


(2) 弱い息で吹く

 音色が変わってしまうのを避けるほかの方法として,弱い息で吹くという方法があります。リコーダーは息の圧力で音量が変わるので,弱い息で吹くことで音量が抑えられます。
ただし同時に音高も下がってしまいますので,普通に吹いたときに出したい音よりも高めの音が出る運指を探しておくか,普通に吹いたときに楽器全体のピッチが高めになるようにしておく必要があります。そうすれば弱い息で吹いたときにちょうどよい音程になります。

 例えばギターとセッションするときに生じる問題なのであれば,リコーダーを弱い息で吹いたときの高さに合わせてギターにチューニングを下げてもらえばよいです。


(3) リコーダーを1オクターヴ低いものに変更する

 高い音のほうが人間の耳には強く聞こえますので,使用するリコーダーを1オクターヴ低いもの(例:ソプラニーノ→アルト,ソプラノ→テナー,アルト→バス)に変更するということで音量のバランスが良くなるかもしれません。


6.リコーダーサークルのある国立大学

私が知っているものをHPアドレスやFacebookとともに列挙します。

東北大学リコーダーアンサンブル
http://tohokudai-re.sakura.ne.jp/

筑波大学ブロックフレーテ同好会
http://www.stb.tsukuba.ac.jp/~recorder/

千葉大学リコーダーアンサンブル
http://www.geocities.jp/crefelice24/index.html


東京大学リコーダー同好会

https://ja-jp.facebook.com/Recorder.ensembleTRC


名古屋大学古楽研究会
http://orchestra.musicinfo.co.jp/~mvsic/

京都大学リコーダー同好会
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/7691/

名古屋大学古楽研究会さんはリコーダーのみとは限らないようですが,参考にしてください。



何かほかに分からないこと等ございましたら,遠慮なくご質問いただければお答えいたします。


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